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3人目のチーフ

映画、演劇、本エトセトラ。アラサーOLケイの日常をちょっと離れて。

ブラナーシアターライブ「ロミオとジュリエット」

ファンタスティックビースト初日ですが、いそいそと演劇を観に映画館へ出かけたケイです。

オリバンダーさんの店で購入したフラーデラクール杖を所持し、今年のコーデガンブームを堂々とホグワーツローブごっこができると歓喜しているケイとしては、当然ファンタビは観たい。

ただこのシアターライブ系は上映時間が大体1週間であり観に行けるチャンスは一度か二度。という訳で、今日も今日とて日本橋のtohoシネマズへ行ってきた。

 

⬛️ブラナーシアターライブとは

俳優・監督のケネス・ブラナーが主宰するケネス・ブラナー・シアター・カンパニーが、ロンドンのギャリック劇場で上演した舞台を映画館で楽しめる企画。第2弾は若い男女の悲恋を描くシェイクスピアのロマンス劇を収録。ブラナーがメガホンを執った『シンデレラ』のリリー・ジェームズリチャード・マッデンが本舞台で再共演を果たしている。

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イギリスのロイヤルナショナルシアターの演劇を映画館で観る、ナショナルシアターライブには前からポツポツ通っていたが、このブラナーシアターライブの特徴は何と言っても映画館上映も視野に入れて、画面作りをしていること。

ズームになったり角度を変える動きのあるカメラワークや、舞台もあまり奥行きを使わずに映画館でも違和感なく観られる。また、今回のロミオとジュリエットの冒頭にはティーンエイジャーに扮した何人もの役者たちが、10代ならではの悩みに加えて一目惚れや恋について話すインタビューシーンを入れて、「一目惚れで死を選ぶ」というさまよえるシングルアラサーOLが後ろ足で砂をかけたくなるロミジュリの世界観への足がかりを作ってくれていた。

また本作の大きな特徴は全般白黒映画であるということ。

モノクロの世界であるがゆえに、登場人物の悲哀がよく伝わるような絵になっていた。

 

お話としてはロミオとジュリエットだが、友人マキューシオの語りにフォーカスされていたり、ジュリエットのロミオ、あなたはなぜロミオなの?のシーンを酒をラッパ飲みした勢いの告白にしたり…と、乙女ドリーム爆発の交わされる心と体のエロ演出を期待して行くと、清潔感におののくような感じでした。美男美女揃えといて初夜のシーンもまさかの朝チュンなんだぜ!おじさんがっかり!

やはり、ロイヤルバレエのいちゃいちゃロミジュリこそ私の理想なのだということを再確認。

 

もちろん、冒頭の街の雑踏から舞踏会のシーン、ジュリエットが眠り薬を飲むシーンなどスタイリッシュで鳥肌。

随所に挟まれるウィットに富んだギャグに笑い止まらず。古い肉ソングをマキューシオが歌い、ロミオとベンヴェーリオがいい加減に合の手を入れる箇所などもシェークスピアの国の本気のオヤジジョーが冴え渡りケイは満足でした。

 

あと、ジュリエット役のリリージェームズの美しさね。同じ世代とは思えない清冽さと、胸の豊かさ。まな板族の末裔の名をほしいままにしているケイとしては、あのたゆんと揺れる胸とあどけない横顔があれば、そりゃあ名家の跡取りと侯爵をほしいままにできるわなと思ったり。

 

でもこの劇のジュリエットは自立している。ジュリエットが毒を飲む逡巡を見せている間、ああそうか、1人で暗闇を歩くのだなとすとんと胸に入ってきた。最近自分の価値観が揺らぐことが多かったのだけど、恵まれた境遇よりも自分の決断に全てをかけて闇に堕ちて行く彼女を見て、私もまた1人で歩くのだと納得できた。孤独とはまた違うのだけど、寂しくて泣きそうだけど、行かねばならないのだろう。モノクロームの世界観が胸に染みた。