3人目のチーフ

映画、演劇、本エトセトラ。アラサーOLケイの日常をちょっと離れて。

【少女漫画1】岩本ナオ「町で噂の天狗の子」

ども、冬のピザまんへの貢ぎ率がハンパないケイです。

 

冴えない系アラサーのケイが独断と偏見でコメントする少女漫画評です。

好物は魔法、両片想い、侍女、騎士、幼馴染、寡黙系男子、魔法(2回目)。洒脱な女性と、男性と会話が進む女性にはジェラシーしか感じない。

 

トキメキを補給するべく少女マンガを読み始めた。自分の中の女をイマイチ受け入れられないむっつり乙女には、岩本さんの作品はこざっぱりしていてオススメ!

なぜなら、可愛くなくてコビもない女の子がイケメンから愛されるという、我々の真の望みが実現されているからです。気をつけないとドリーミーなそこいらの少女マンガよりよっぽど夢設定(^◇^)

いいか、これは少女マンガや!実際には、素朴とは名ばかりの冴えなさと思いやりがあるけど素直でもない我々には一途になってくれる幼馴染なんておらへんのや!

と強く念じる必要がある。

 

以下ネタバレあります。

 

  1. 町で噂の天狗の子

天狗を信仰する町、緑峰町。その町でうわさになっているのは、天狗の神様・康徳坊の一人娘、秋姫。

天狗と人間の間に生まれたハーフである秋姫は、幼なじみの瞬から「早く天狗になる修行を始めろ」と言われ続けているが、彼女の頭の中は同級生のタケル君のことでいっぱいで…。(以上wikiより)

町でうわさの天狗の子(1) (フラワーコミックスα)

もう…多くは語るまい。とりあえず読者の皆様がそうであろうに、瞬ちゃんためにある作品といっても過言ではないでしょう。天狗から受け継いだ強い力ゆえに、時に世間に馴染めない主人公、秋姫。困った時、苦しい時はいつも駆けつけて助けてくれる幼馴染瞬ちゃん。

瞬ちゃんと秋姫の関係が絶妙なんすよ。

王子様とお姫様みたいな関係じゃなくて、でもいつも1番に思い合っていて、そう、それは幼馴染。瞬ちゃんも最初は秋姫への思いを自覚していないのだけど、みんなと高校に通い、自分以外の人と関わる秋姫の姿を見て自覚していく……萌え禿げますな。

岩本さんの作品の見どころは、ちゃんと最初から最後まで逃げずに主人公視点で物語が描写されていること。

だから、瞬ちゃんがふとした瞬間にかいま見せる思いの深さや覚悟、恋情にハゲちらかす。ちらリズムというか、独白で瞬ちゃん自身に秋姫…なんとしても俺が守り抜く……とかなんとか安易に言わせるのでなく、修学旅行で遠くへ来て喜んでいる秋姫にどこに行きたい?どこでも連れていってやるって聞くわけです(秋姫は悪いものの影響を受けやすく1人では近所しか行けない)。引きのシーンで恋情の和歌を詠ませて彼が喜んでいることを伝え、読者の生え際は高速で後退していくわけです。

 

ああ、岩本さん…こんな素晴らしい幼馴染を生み出してくださってありがとうございます。尊い。ただただ尊いよ。

 

恋愛だけでなく、ファンタジー、学園物語、と盛りだくさん。自分の思い出たちへの愛おしい気持ちになること間違いなしです。

秋のほっこり読者におすすめ!

 

幼馴染☆☆☆☆☆

あふれる青春☆☆☆☆☆

ヒーローがケイの好み☆☆☆☆☆

絵のかわいさ☆☆